足す、引く、バランスをとる

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足す、引く、バランスをとる

中医薬膳学では、食材の効能を使って三つの目的を達成させます。

◎正気を補養する(足す)
◎邪気を取り除く(引く)
◎陰陽を調和させる(バランスをとる)

「正気を補養する」とは、補気、助陽、滋陰、養血、生津、填精などの作用をもつ食材によって、虚弱証に対して施膳する方法です。老化防止のためによく用いられるのは、山薬(山芋を粉末状にしたもの)・茯苓・黄耆・吉林人参・西洋参・連子・大棗(なつめ)・枸杞子で、肺・脾・腎を補益します。足腰を丈夫にするためには豚骨・鶏ガラスープ・杜仲・独活、聴力をよくするためにはアワビ・菊花・決明子・菖蒲が良く使われています。

「邪気を取り除く」とは、解表、清熱、瀉火、行気、活血、化瘀、涼血、祛痰、燥湿、祛風湿、解毒、瀉下、利尿などの作用をもつ食材によって実証の病気に対して使うものです。体質、季節、年齢、環境などさまざまな要素で、病気が発生します。病気の邪気を取り除く方法として、カゼのときには生姜・葱の発汗作用による「解表法」、熱に対しては蒲公英(たんぽぽ)・魚腥草(ドクダミ)・芦根・白菜・セリを用いる「清熱法」、便秘にはセンナ・アロエ・火麻仁を用いて便を下す「瀉下法」、ストレスによる気滞証には、薄荷・陳皮・マイカイカ・ジャスミンによる「疏肝理気法」、瘀血を治療するためには当帰・川芎・三七・丹参・紅花・ウコン・青梗菜・酢を使う「活血化瘀法」などがあります。

「陰陽を調和させる」というのは、季節や体調に合わせて臓腑のバランスをとり、健康・長寿のためによく使う方法です。ストレスがたまったときや、神経質な状態のときにも良いです。自然界の陰陽の変化に従って、身体の陰陽も変化しています。それぞれの季節にあわせて食材を利用します。

虚弱証…正気の不足、臓腑機能の減退によって現れる症候
実証…臓器機能が強い状態(正気強)で、盛実な邪気が侵入し、正気と邪気の戦いが激しい状態

季節にあわせた食材

それぞれの季節によく使う食材をあげてみます。

◎温性(早春)、涼性(晩春)/辛味・甘味・適度な酸味
×冷たいもの、酸味・苦味
米、麦、葱白、生姜、紫蘇、香菜、薄荷、菊花、桑葉、大棗、落花生

◎寒性・涼性/鹹味・酸味・適度な苦味
×冷たいもの、熱性のもの、脂っこいもの、辛味・苦味
あわ、ニガウリ、豆富、セロリ、きゅうり、トマト、なす、レンコン、すいか、緑豆、烏梅、茶葉

◎涼性、温性/酸味・甘味・鹹味
×刺激性のもの、熱性のもの、苦味、辛味
あわ、きゅうり、びわ、梨、りんご、ごま、蜂蜜、乳製品、卵、豚肉、貝類

◎温性・熱性/辛味・甘味・酸味・適度な鹹味
×冷たいもの、鹹味、苦味
穀類、イモ類、きくらげ、鶏肉、羊肉、すっぽん、亀、えび、なまこ

今はまだ早春なので、温性のもので身体をあたためるのがおすすめです。ただ体質や体調によってもちがいます。暑がり、汗をかきやすいという人は熱をとる働きのものを食べるというように、身体と相談しながら食材を選んでみてください。

今日の一品~じゃがいも炒め~

じゃがいも炒め

じゃがいも(平/甘/胃・大腸/補気類)
人参(平・微温/甘・微辛/肺・脾・心/養血類)
唐辛子(熱/辛/心・脾/温裏類)

じゃがいもの補気健脾によって、気虚の疲労である慢性疲労の改善に期待ができます。

仕上げにかけた七味唐辛子。唐辛子、柚子皮、ミカン皮、山椒、黒ゴマ、白ゴマ、塩、青じそ。こちらは、オール佐渡産のものを使いました。

カルム農園さんのオール佐渡産七味唐辛子

今日は気温が10℃まであがり、春の陽気でした。なのですが、明日が雨予報のせいか久しぶりの偏頭痛。しばらく横になっていたら痛みが去ってくれてほっとしました。真冬の低気圧真っ盛りのころ、頭痛がなくてやったーと思ってたのに。調べてみたら、気象病といわれる低気圧による頭痛は、3月~6月にかけて多くなるようです。気圧が不安定になる季節の変わり目が厳しいもよう。これも薬膳で体質改善したいなぁ。

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